2008年8月アーカイブ

時計を壊した

なんとかならないものか、
と思っていても、

統合失調症の患者は、
けっこうモノを壊しやすい。

またもや、弟からの電話。

「時計が壊れた、どうしたらいい?」

そんなことは、
お店に行って相談したらいいんじゃない。

「お店には行った。
 そして、新しいヤツを買ったら、
 また壊れた。」

げ?

幸い、その行ったお店っていうのが、
100円ショップだから、
壊れやすい時計だったというのもあるだろうけど、
お金の損失も、そんなになく、済んでいる様子。

おまえ、モノを壊しやすいから、
時計なんか、持たなくていいよ。

「そうだな。」

という返事。

しかし、私は知っている。
また、時計を買うだろう、ということを。

以前にも、同じような会話をしたから。
それで、その壊れた時計っていうのが存在する。

こういうことを何度も何度もくり返して、
彼の人生は進んでいくのだろう...

それも、人生。ちょっと不思議な気がする。

ハンコ

先日、8月分として、
父の外出をしてきた。

もう入院しているわけじゃないから、
「外出」という言葉を使うのは、
ちょっと違うかもしれないけれど、

寮からの許可をもらって、
出かけていくという点では、
病院に入っていた頃と
たいして変わりない。

ただ違うのは、
外出の申請用紙に、
わたしが名前を書いて、
ハンコを押す必要がなくなったこと。

たいしたことじゃありませんが、
あの作業がなくなったのは、
なんか気楽です。

だいたい、ハンコをもっていることの方が珍しいから、
あ、ハンコがない、ということになります。

その時の看護師さんによって、
対応が変わります。

「じゃ、拇印で」ということで、
朱肉とティッシュを出されて、
人差し指を真っ赤にすることもあれば、

「あ、いいです」と
慣れた看護師さんが言うこともあります。

病院とは、10年以上の付き合いでしたから、
外出も、顔パスできるくらいの、
お馴染みの「○○さんの息子さん」のはずですが、
ハンコは必要でした。

ハンコが要らなくなった外出で、
父を連れて、また温泉に出かけたというわけです。

私も、1ヶ月ぶりのサウナに入って、
だらだらと汗を流してきました。

勉強させたい

弟は、心の病を抱えながらも、
幸い、仕事をすることが出来ている。

恵まれているほうだと感じる。

ただ、仕事ぶりについては、
それほど良くないだろう、
という気はしている。

仕事が単調なせいもあるかもしれないが、
本人自身が、言われたこと以外に
やろうという気持ちがないせいもあるだろう。

本気でやりたいと思える仕事に、
何かしら出会わせてやりたいなぁ、
と思って、

何かを勉強させたいとは思っているが、
読むのを薦めた本でさえも
読まないことは分かっている。

こればっかりは、
子供じゃないので、
付きっきりで読ませる、
という具合にはいかない。

何か好奇心をもって勉強してくれたら...

でも、それは、かなり難しいようだ。
テレビを見るにしても、
どこかに出かけるにしても、
落ち着いていることがめったいにないようだから。

その状態を落ち着かせて、
何か建設的なことをやらせようというのは、
家族のエゴか。

よく分からない。

まもなく、40歳になる。
吸収力も、格段に落ちていく。
考え方の柔軟さも、なくなってきている。

勉強しなくちゃ、終わってしまう。

何かいい方があればいいのだけれど...

リズムが崩れる

患者さんに対しては、
生活リズムを崩さないように
気をつけたほうがいいと思う。

よいことであれ、
悪いことであれ、
生活リズムが崩れると、

心も乱れてしまう。

心が乱れてしまうと、
良いことが起きているのに、
結果的に、悪いことになってしまう。

父や弟を見ていると、たとえば、
予想外の副収入なんかがあったりすると、
せっかく頑張ってきた節約生活が乱れて、

その副収入で味わった
節約から外れた生活に、
心が興奮してしまう。

また、それを経験したいと思ってしまう。
そのために、いろんな画策を始める。

がんばったんだから、
ごほうびとして、何かプラスすることを
考える時には、

お金とかよりも、食べ物の方がいい、
と思っている。

その方が興奮が少ない。

お金というものは、
心の弱い人をさらに弱め、
心の強い人をさらに強めるもの。

それを分かっていないと、
患者さんへの対応を間違ってしまう。

そんなふうに思っています。

外泊をねだる

父が、お盆期間中の外泊を
したがってきた。

予想できたこととは言え、
心の準備をしていなかった。

申し訳ないが、
外泊は出来ない。

外泊する先がない。

今は穏やかに過ごしているが、
そうでない日々に、
迷惑をかけた人々、大家さんから、
滞在の了承を得るのは難しい。

私がいつも一緒にいる、
という条件なら、
外泊は可能かもしれないが、
私も、それをする自信がない。

猛烈な欲求をもって、
行動を始める父親になった場合には、
わたしも、監視が不可能だと思うから。

父は、どう考えているんだろう...

自分が迷惑をかけた過去を。

それをすっかり忘れているとは
思えない。

本人だけ、水に流しているとすれば、
やはり、周囲にとっては迷惑なことだ。

本気で反省していて、
謝罪の言葉を述べるくらいなら、
話は別だが、
そういう気持ちがないのであれば、

今ぱっと思いついたような要望を、
周囲が叶えてあげられるような協力は
引き出せないだろう。

今現在は、穏やかに生活しているように
見えるだけに、なんとも、残念なことだ。

もう64歳。
残念ながら、更正のチャンスは、
逃してしまったのかもしれない。

久しぶりの温泉ランチ

入院している時から、
外出といえば、温泉ランチに
連れて行くのが常となっていました。

ふつうは、外泊といって、
実家に泊まらせるものでしたが、
泊まらせることができる実家というものが
なくなってから、
(父が問題を起こしたせいなのですが)

外出することにしました。

お昼に、温泉に連れて行って、
その足で、ランチを食べるわけです。

温泉と、ランチ・バイキングが
セットになっているので、
とても助かります。

父も、そこに行くのが
外出の当たり前になりました。

先日は、入院していた時に
お世話になってた看護師さんグループと
いっしょになりました。

「あらー、久しぶり」

と声をかけられて、
ニコニコしている父親。

病院の外で会うのと、
入院中に会うのでは、
気持ちも違うでしょうね。

ちょっと、顔が違うと感じました。

寮に移ってから半年。
慣れてきているところもあるようですが、
もっと自由な生活が欲しいと思えば、
不自由もあることでしょう。

そんなセリフも、
ポロポロ言うようになりました。

がんばって欲しいものですが...



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プロフィール

Shu。いい言葉ねっと運営。父が統合失調症で16回の入退院、弟も後に統合失調症になる。穏やかでない家庭環境で、いろいろと学んだ。

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