今から5年前ほど、
何度目かの退院をして、
すぐさま、東京に向かった父。
いちおう、出稼ぎに行く、
ということであった。
頼みもしないのに、職業安定所に行き、
行き先を見つけて、働きに行った。
はずだった…
しかし、手元にお金はない。
働き先で、すぐに、
給料の前借をして、
給料日が来る頃には、
もらう給料がほとんどないような状態。
正月が近くなって、
そろそろ帰って来ると思いきや、
職場には「田舎に帰る」と言いつつ、
蒸発した。
待てども、待てども、
帰って来ない。
いちおう、家出人捜索願を、
警察に出す。
連絡も何もない。
自由気ままに生きているんだろう…
好き勝手をして、
死んでしまうなら、
それはそれでしょうがない。
本人が望んだ人生だから、
なんて考えていると、
蒸発から1ヶ月して、
品川公園で行き倒れていたのを発見された。
こちらに連絡が入り、
急遽、迎えに行く。
羽田空港で降りて、
東京モノレールで、
民生病院に行く際に、
思いました。
「ホームレスをして行き倒れた父を迎えに行くなんて、
なかなか経験できないことを経験しているなぁ」
と。
久々の対面。
ものすごく痩せていた。
3年前に亡くなった祖父に、
そっくりな顔をしていた。
痩せれば、やっぱり親子っていう感じ。
胃潰瘍が2個あって、
今すぐには退院出来ないから、
ということで、面会だけで帰って来た。
とんでもない父親。
めったにない経験をさせてくれる父親。
病気なのか、本性なのか、よく分からない。
Shu。