臨場(2)
終身検視官の異名をもつ人物の
短編集です。
4.餞(はなむけ)
退職まであと4日の刑事部長。
女殺しと言われ、女性にかかわる事件は、
ほとんど解決してきた。
そんな時期に、また事件が起きる。
やはり、女性が殺された事件。
未決のまま退職してしまうのか、
という心配ももたげてきたが、
「終身検視官」倉石のおかげで、
またもや、スピード解決。
解決していないのは、
毎年のように来ていた年賀状の主が
分かっていないこと。
それが、今年になってこない。
警察官にでもなれば、
更正した犯人やら、お礼参りやら、
いろんなハガキが来るもの。
そうだとしても、送り主の見当がつかない。
差出人には、「霧山郡」という記載しかない。
退職間近に、1つの決心をした。
倉石に、霧山郡エリアで、
この1年間になくなった変死体はないか、
と尋ねた。そこから、少しずつ明らかになっていく。
警察小説とは言っても、
いろんな側面から書けるもんだなぁ、
と改めて感じさせられます。
5.声
一人の女性刺殺体。
周囲には、「死ね」「死ね」と
書かれたFAXが散らばる。
事件性も考えられるその現場で、
倉石が判断したことは、自殺。
彼女の生い立ち、職場を巡る、
ストーリーが展開されていきます。
この本の中では、
一番つまらないストーリーに
思えました。
なんでだろう...?
6.真夜中の調書
DNA鑑定、血液型鑑定で
犯人を絞り込んでいく。
そこには、血液型による親子鑑定、
の神話を覆す事実があった。
B型とO型の親から、
A型が生まれる可能性がある。
それによって明らかにされた、
本当の犯人。
血液型だけでは鑑定出来ない事例が
あることを、この本で知りました。
でも、ホントなのかなぁ...
よく分からない。
7.黒星
倉石の元部下の女性が、
自殺したと思われる現場にて、
倉石が判断したのは「自殺」。
そして、事件性を確かめるために、
多くの刑事が聞き込みに出されることになった。
そこで調べようとしたことは、
何だったのか。
亡くなった女性の元同僚が、
倉石の本音を見い出そうとした。
死体にあった、不釣合いなピンクの口紅。
それは何だったのか。
自殺という判断は、初の「黒星」となるか。
人間模様の見えるストーリーです。
8.十七年蝉
17年ごとに、事件を起こしている、
と判断した倉石。
そんなわけがないと言う上層部。
17年といえば、
時効をすぎてしまい、
担当刑事たちも、
バラけているから、
見落とされやすい。
倉石が見い出した共通点は何だったのか。
そして、そこにこだわって、終身検視官を
続ける倉石の本心は?
ラストにふさわしいストーリーだと思いました。