【村上春樹さんについて】
1949年、京都府生まれ。兵庫県西宮市・芦屋市に育つ。早稲田大学第一文学部演劇科卒、ジャズ喫茶の経営を経て、1979年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。当時のアメリカ文学から影響を受けた文体で都会生活を描いて注目を浴びる。1987年発表の『ノルウェイの森』は上下430万部を売るベストセラーとなりまる。それ以降も、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』など出版。日本国外でも人気が高く、デビュー以来翻訳の活動もしています。

【村上春樹作品リスト】

君も他人にやたら
打ち明け話なんかしない方がいいぜ。
そんなことをしたらたぶん君だって、
誰彼かまわず懐かしく
思い出しちゃったりするだろうからさ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
打ち明け話、秘密の話は、
話した方は忘れていても、
聞いた方は親密になったものだと
勘違いしてしまうことが多い。

そんなこと今からわかるわけないだろう。
先になって君が何をしてるかなんて、
実際に先になってみなきゃ
君にだってわからないんじゃないか?
うん、わかるわけないよね。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
未来は、予測はできても、
「分かる」と言えるものじゃない。
ある程度長い期間にわたって
学校教育を受けているとだね、
自分の知力のおおよそのサイズというものが、
だんだんわかるようになってくるんだ。
それがどういうものにフィットして、更に言うならば、
どういうものにフィットしないのかということがね。
そしてしかるのちに、
それだけのサイズを持った知力が
どのような思考を身にまとえばいいのかが、
君にも見えてくるわけだ。そうすることによって君は、
サイズに合わない理念やら、
似合わない理念やらを試着してみる手間を
省くことができる。
いちいちそんな試行錯誤みたいなことをしていたら、
膨大な時間が無駄になってしまうものね。
そして君は自分という人間の正しい寸法を知り、
君の知力にふさわしい衣をまとうことができるようになる。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
完璧な教育現場、
というものはないと思います。
それぞれの人に合う部分と、
合わない部分が、きっとある。
それでも、そういうことを含めて、
学べること、知ることがあるのが、
教育現場というものだろう。
未成熟なるもののしるしとは、
大義のために高貴なる死を求めることだ。
その一方で、成熟したもののしるしとは、
大義のために卑しく生きることを求めることだ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
一人前の振りをしたい、見せたい、
ということは、
一人前じゃないという証拠。
一人前なら、見せる必要などないのだ。
君が今はまりこんでいる落下は、
ちょっと普通ではない種類の落下だと思うんだ。
恐ろしい種類の落下だと。
落ちていく人は、自分が底を打つのを感じることも、
その音を聞くことも許されない。
ただただ落ち続けるだけなんだ。
そういう一連の状況は、
人がその人生のある時期において
何かを探し求めているにもかかわらず、
まわりの環境が彼にそれを
提供することができないという場合にもたらされる。
あるいは、まわりの環境は
自分にそれを提供することができないと
本人が考えたような場合にね。
それで人は探し求めることをやめてしまう。
つまり、実際に探索を始める前に、
あきらめて放り出しちゃうんだ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
人生、浮いていくこともあれば、
沈んでいってしまうこともある。
どうなるか、分からないのが人生で、
沈んでいる時間があるのが
悪いわけじゃない、決して。
僕がそこで何をするかっていうとさ、
誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、
かたっぱしからつかまえるんだよ。
つまりさ、よく前を見ないで
崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、
どっからともなく現れて、その子をキャッチするんだ。
そういうのを朝から晩までずっとやっている。
ライ麦畑のキャッチャー、
僕はただそういうものになりたいんだ。
たしかにかなりへんてこだとは思うけど、
僕が心からなりたいと思うのはそれくらいだよ。
かなりへんてこだとはわかっているんだけどね。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
自分の夢なんて、
ハッキリ持てたらいいけれど、
若いうちから、そんなにハッキリしている人なんて、
めったにいるもんじゃない。
大人ですら、夢を見失うんだから。
自分がインチキ人間かどうかなんて、
自分じゃなかなかわからないものなんだ。
困ったことには、
そいつはとことんわかりにくいんだよ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
他人の生き方について、
あれこれ言っている暇があったら、
自分の生き方に集中したほうがいい。
その方が、世のため、人のため、自分のためだ。
気にすることありません。
誰かがうるさいことを言い出したら、
そのときにやめればいいんです。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
うるさいことを
言ってくる人は、
どこにでもいる。
いちいち、それを気にしていると、
何も出来なくなっちゃう。
ここにきりっとハンサムなお男がいる。
あるいは、自分のことを
ばりばりにすごいと思っているやつがいる。
そういうやつって、
必ず何か頼みごとがあるんだよな。
なぜかっていうと、この手の連中は
自分にぞっこん惚れ込んでいるから、
ほかのみんなも同じように自分に
ぞっこん惚れ込んでいるって考えちゃうんだね。
この俺に何か頼まれたら、
みんなほいほいと喜んでやってくれるだろうってさ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
自意識過剰になると、
勘違いが始まる。
勘違いしているのを
まわりは気づいても、
自分が気づかなければ、痛い。
それを教えてくれる人がいるのは
幸せなことだけれど、
教えられても改められなければ、また痛い。
人生とはゲームなんだよ、...。
人生とは実にルールに従って
プレイせにゃならんゲームなんだ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D. サリンジャー、村上春樹)
 
ルールがあるから、
ゲームは面白い。
ルールを守らないゲームは、
何が目的か、ゴールかも、
分からなくなる上に、
勝っても、だんだんつまらなくなる。

アーカイブ

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。