流星は、見逃す人のほうが多い。...
流星は、見逃す人のほうが多い。
人の死も、多くの人が
見逃してしまうだろう。
「流れ星を見たよ、きれいだったよ。」
と語る人の、その言葉だけが残ってゆく。
その言葉を覚えておく人のなかにのみ、
流星は存在する。
(静人日記、天童荒太)
日々伝えられるニュースのなかで、
死というものは数字でしか
なかったりする。
ワイドショーなんかになると、
それに、思いが込められていて、
その死に様について
ちょっとは考えさせられる。
けれども、
そんなニュースも、
次々と新しい話題に塗り替えられていき、
忘れ去られていくのが普通のこと。
時間が流れれば、
忘れ去られることは多く、
忘れてほしくない人々、
忘れられない人々にとっては、
酷いことかもしれない。
もちろん、
忘れたほうがいいことも多い。
けれど、忘れるために、
いっしょに忘れない時間を
共有してくれる人、
悼んでくれる人がいないと、
むずかしいこともあります。
忘れられないだけの
価値ある人生、時間、人。
それは、大切なんだと思います。
(参考)静人日記(天童荒太)





